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町田康はユーモア

2011.09.13 Tue
『くっすん大黒』を読んでみて最初のページからこの人天才だわ、と思った。
元パンク歌手であって、現在は作家。布袋に殴られて事件になったといえば分かるだろうか。
この小説、3年間無職の男が妻に逃げられて部屋にあるへらへらした大黒にむかついて捨てに行くって話で、最後はふと思い立ってうどん屋になるっていうすごい話。ちょっと最初の一節を引用するね。

 もう三日も飲んでいないのであって、実になんというかやれんよ。ホント。酒を飲ましやがらぬのだもの。ホイスキーやら焼酎やらでいいのだが。あきまへんの? あきまへんの? ほんまに? 一杯だけ。あきまへんの? ええわい。飲ましていらんわい。飲ますな。飲ますなよ。そのかわり、ええか、おれは一生、Wヤングのギャグを言い続けてやる。君がとってもウイスキー。ジーンときちゃうわ。スコッチでいいから頂戴よ。どや。滑って転んでオオイタ県。おまえはアホモリ県。そんなことイワテ県。ええ加減にシガ県。どや。松にツルゲーネフ。あれが金閣寺ドストエフスキー。ほんまやほんまやほんマヤコフスキー。どや。そろそろ堪忍して欲しいやろ。堪忍して欲しかったら分かったあるやろな。なに? 堪忍していらん? もっとゆうてみいてか? 毒性なおなごやで。あほんだら。どないしても飲まさん、ちゅうねんな。ほなしゃあないわ。寝たるさかい、布団敷きさらせ、あんけらそ。

さらに話がすすむと、道路のプランターのなかに大黒を捨てようと、包んだ新聞紙ごと置いたら、納得いかなくて美的注意をはらいながら再配置するって場面がでてくる。それを交番の巡査に見られて逃げようとする描写が面白い。

屏風のように仕立てた新聞紙で大黒をくるみ直すのに手間取っている間に、

プランターのなかの配置をくどくど書いて笑わせるんじゃなくて、逃げるときになって始めて新聞紙を風流な屏風にして、その前に大黒を座らせたってのが分かるわけね。これにはまいった。このセンスなかなかすごい。

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『美しい夏』 - チェーザレ・パヴェーゼ

2011.07.03 Sun
解説にはこう書いてある「都会の片隅で同じ宿命に落ちてゆくふたりの娘の会話を中心に、彼女らの孤独な内面を描き出していく。」
何も知らない娘ジーニアと、話の結末を知っている女アメーリアがグィードやロドリゲスといった男たちと恋愛することで傷つき、孤独のうちにお互いを分かり合うといった一種のレズビアン小説としても読める。パヴェーゼ自身は「レズビアンの娘たちの物語」と書簡のなかで述べていた。
読み進めると美しい夏を夢見る少女ジーニアと、その季節はすぎて別の生活をしているアメーリアは実はおなじ女だということに読者は気づく。そして最後にジーニアが画家のグィードとの恋愛の終わりを感じ、モデルとして描いてもらうことを通してしか彼に逢うことは出来ないと知ったとき、アメーリアのことを理解するに至る。
時代背景にはイタリアの暗い時代が反映されていて、非合法の仕事をしていると思われる青年や、ナチの集会に出かけるジーニアの兄などが登場する。論理じゃなく感性で感じることのできるなかなかよく出来た小説だと思いました。ちなみにこの小説はイタリアのストレーガ賞を受賞しました。

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