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秋の歌(落葉) ポール・ヴェルレーヌ

2010.06.06 Sun
詩には音楽性があります、翻訳するにはどうやってそれを残すのかが大変な問題になります。
日本人の精神に響くのは俳句の五七五のリズムで、フランス人は古くから12音節のアレクサンドランを好むというように。(詳しくは知りませんが)
そのまま逐語訳してはリズムが失われてしまうように思います。
比較してみましょう。

秋の唄
            ポ-ル・ヴェルレーヌ(金子光晴訳)

秋のヴィオロンが
いつまでも
 すすりあげてる
身のおきどころのない
さびしい僕には、
 ひしひしこたえるよ。

鐘が鳴っている
息も止まる程はっとして、
顔蒼ざめて、
 僕は、おもいだす
むかしの日のこと。
 すると止途(とめど)もない涙だ。

つらい風が
僕をさらって、
 落葉を追っかけるように、
あっちへ、
こっちへ、
 翻弄するがままなのだ。


こちらは散文チックだけれども、非常にわかりやすい言葉で哀愁を漂わせられている名訳だと思います。
ヴィオロンというのは「ヴァイオリン」のことです。寂しい音色と人間の心情を交差させているわけですかね。



秋の歌
            ポ-ル・ヴェルレーヌ(堀口大學訳)

秋風の
ヴィオロンの
節(ふし)ながき啜泣(すすりなき)
もの憂き哀しみに
わが魂を
痛ましむ。

時の鐘
鳴りも出づれば
せつなくも胸せまり
思ひぞ出づる
来(こ)し方に
涙は湧く。

落葉ならね
身をば遣(や)る
われも、
かなたこなた
吹きまくれ
逆風(さかかぜ)よ。


五七五をなるべく使っていてスッと入ってくる、しかし難解な言葉と詩情に豊かですので僕には難しかった。



落葉
            上田敏 『海潮音』より

秋の日の
ヰ゛オロンの
ためいきの
ひたぶるに
身にしみて
うら悲し。

鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。

げにわれは
うらぶれて
ここかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉かな。


上田敏は日本にヨーロッパの高踏派と象徴派の詩人の詩を紹介をした人です。落葉もそうです。
まだ翻訳をどうするかということが問題であった時代に、音楽性を重視して日本人に合うリズムを試みたのはすごいことです。
ヴィオロンの音を「ためいきの」とするところが良い。非常な名訳だと思います。



Chanson d'automne
                Paul Verlaine

Les sanglots longs
Des violons
 De l'automne
Blessent mon coeur
D'une langueur
 Monotone.

Tout suffocant
Et bleme, quand
 Sonne l'heure,
Je me souviens
Des jours anciens
 Et je pleure

Et je m'en vais
Au vent mauvais
 Qui m'emporte
Deca, dela,
Pareil a la
 Feuille morte.
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